川崎 万生(桜木町クリニック)
遠山 宜哉(岩手県立大学)
花屋 道子(弘前大学)
東日本大震災に関する支援については、これまで当学会でも現地で支援にあたった専門家によって貴重な報告がなされてきました。
その一方で、支援者でありながら被支援者でもあった方、あるいは援助職でありながら当地での支援を行うことができなかった方など、さまざまな立ち位置に存在するカテゴライズできない経験の数々が、語られないまま埋もれている可能性があります。
本シンポジウムでは今後の復興を考えていくにあたり、支援/被支援の垣根を越えた対話/リフレクションをキーワードにして、いまだ語られていない諸々の経験へとアプローチしてみたいと考えています。
秋山 邦久(越谷心理支援センター・常磐大学):開業心理臨床の現場から
黒沢 幸子(目白大学・KIDSカウンセリングシステム研究会):学校臨床の現場から
阿瀬川 孝治(汐入メンタルクリニック):開業クリニックの現場から
當眞 千賀子(九州大学):子育て支援の現場から
指定討論者:
田嶌 誠一(九州大学)
八巻 秀(駒澤大学・やまき心理臨床オフィス)
座長:
安江 高子(関内カウンセリングオフィス)
効果的・効率的を旗印に心理援助を行うブリーフサイコセラピーは、これまで臨床現場での様々な工夫を模索してきたといっても良いだろう。それら工夫の背景には、当然のことながら、クライエントやその家族、関係者などへの配慮があると言えよう。そのような臨床現場における配慮と工夫は、クライエントの状態や、臨床現場の状況によって、新たに生まれ、修正されていくように、常に更新されていくものだと考えられる。
本シンポジウムでは、様々な臨床現場で配慮と工夫を駆使されてきた4名の臨床家をシンポジストに迎え、現在行っている現場での配慮と工夫を示していただきながら、それが生まれたきっかけやエピソードなど、それらがどのようにして創出されてきたのかという点についても語っていただく。基調講演者の田嶌先生にも指定討論者として入っていただきながら、臨床現場での配慮と工夫が、どのように創出され、展開し、そして発展していくのか、という流れについて、じっくり討論できればと考えている。